JA三井リース株式会社

Menu

気候変動への取り組み

戦略

当社グループはサステナビリティ経営推進に当たり、世界が直面する社会課題の中から重点的に取り組むべき課題として以下5つのマテリアリティ(重要取組課題)を特定いたしました。併せて国連が採択した持続可能な開発目標(SDGs)を長期の経営目標に掲げ、2030年までのSDGs達成を目指しております。

<マテリアリティ>
・カーボンニュートラルの実現に貢献
・サーキュラーエコノミーの推進
・持続可能な農林水産業と地域活性化に貢献
・技術革新による豊かな社会の実現に貢献
・多様性を尊重し、誰もが活躍できる職場づくり

当社グループは気候変動にともなう様々な「リスク・機会」を戦略上の重要な観点の1つとして捉え、「カーボンニュートラルの実現に貢献」をマテリアリティとして特定しております。気候変動に伴う異常気象の増加やカーボンニュートラルへの世界的な潮流等により、当社グループのお客様のビジネスに影響が及ぶリスクが想定され、不確実性が高い気候変動の影響(リスク・機会)を把握するために、当社グループ事業のうち、重要度の高い3セクターを選定したうえで、下記の通り定性的なシナリオ分析を実施しました。

(a)リスク重要度の評価
<対象セクターと選定方法>
当社グループにとっての影響度・重要度を次の3つの観点で評価し、「不動産」、「エネルギー」、「農林水産」を今回の分析対象セクターとしました。
・当社グループにおける物件別エクスポージャーの大きさ
・気候変動による移行リスク・物理的リスクの大きさ
・当社グループにおける戦略的な重要性
<重要度(影響度)の評価>
対象セクターの移行リスク、物理的リスク、機会を洗い出し、洗い出したリスクと機会について、各セクターにとっての重要度(影響度)を評価しました。

(b) シナリオ分析の前提
日本政府の2050カーボンニュートラル宣言やCOP26以降、脱炭素化に向かうシナリオとしては1.5℃シナリオ、厳格な対策(炭素税、環境規制等)は導入されず、自然災害が激甚化・頻発化(成り行きの世界)するシナリオとしては4℃シナリオが選択されるケースが多いため、今回のシナリオ分析では1.5℃シナリオ及び4℃シナリオを採用し、2030年、2050年に関する調査を実施しました。

1.5℃/4℃シナリオで想定される外部環境変化

外部環境 1.5℃シナリオ 4℃シナリオ
政策・規制 2050年カーボンニュートラル実現のための政策強化(カーボンプライシング導入、再エネ比率拡大、省エネ強化等) 激甚災害対策への政策強化(規制、補助金等の政策支援)
投融資機関 カーボンニュートラルに向けた、政策より高度な要請の拡大 気候変動の進行による影響(森林破壊等の自然環境の悪化)への対応圧力はあるが、投融資判断に影響を及ぼすには至らず
社会 脱炭素社会による価値観(消費性向)の変化 現状と変わらず
自然環境 緩やかな気象変化 自然災害の激甚化・頻発化、降水パターンの変化
スクロールできます

(c)事業インパクト評価
分析対象セクター毎の重要度(影響度)の評価として、重要度(影響度)が大きいと判定された項目について、当社グループへの波及経路、影響度の評価を行いました。各セクターにおいて当社グループへの影響が大きいと選択した項目は下表の通りとなります。

不動産

外部環境 リスク・機会の内容 財務影響
政策・規制 <移行リスク>
炭素税の導入による運用コストの増加
運用コストの増加を賃貸料に転嫁しきれず収益が減少
自然環境
(急性)
<物理的リスク>
風水害の激甚化により、サプライチェーンの断絶等による事業停止
保険料の上昇や賃貸資産が被害を受けることで賃貸できない状態となり、収益・資産価値が減少
投融資機関・
社会
<機会>
脱炭素の潮流に伴い、環境認証/低炭素ビル・不動産の需要の増加
ニーズ増加により賃貸料が上昇し、収益・資産価値が増加
自然環境 <機会>
風水害の激甚化により、災害に強いビル・不動産の需要の増加
ニーズ増加により賃貸料が上昇し、収益・資産価値が増加
スクロールできます

エネルギー

外部環境 リスク・機会の内容 財務影響
政策・規制 <移行リスク>
太陽光等の再生可能エネルギーの発電量が増加し需給のアンマッチが起こり、出力抑制が増加
出力抑制により売電収入が減少し、再エネ市場が縮小することで、投融資額も減少
自然環境
(急性・慢性)
<物理的リスク>
風水害の激甚化による設備損害、操業停止、降水パターンの変化等による発電量の低下
売電収入が減少し、再エネ市場が縮小することで、投融資額も減少
政策・規制 <機会>
再生可能エネルギー主力化に向けた規制緩和や技術革新の促進
再エネ市場が拡大、投融資額が増加
投融資機関・
社会
<機会>
グローバルな低・脱炭素潮流(電化の推進を含む)やエネルギー安全保障への対応を踏まえた、中長期的な需要が大幅に増加
再エネ市場が拡大、投融資額が増加
スクロールできます

農林水産

外部環境 リスク・機会の内容 財務影響
政策・規制 <移行リスク>
炭素税の導入により、農業用の化学肥料・農薬や畜産用の飼料・動物用医薬品等の資材コストが増加
コスト増により農林水産業者が廃業・規模縮小となることで、投融資額が減少
自然環境
(慢性)
<物理的リスク>
平均気温上昇や冠水・地下水の不足等により、一部の地域・品種では農作物の品質が低下、収量が減少。家畜への夏季の暑熱ストレスにより畜産物の品質が低下
・品質低下のため収益が減少し、農林水産業者が廃業・規模縮小となることで、投融資額が減少
・収量減少等により、食品加工・流通分野等のサプライチェーン企業の収益が減少することで、投融資額が減少
・主要顧客である系統団体等の経営が不安定化することで、投融資額(建物・車両リース、再エネ設備等)が減少
投融資機関・
社会
<機会>
脱炭素の潮流に伴い、低炭素あるいは高効率な農機や加工場の設備への投資が必要
設備投資ニーズが高まり、投融資額が増加
自然環境
(慢性)
<機会>
平均気温上昇や降水パターンの変化により、農林水産業の産地、品種、収量等が変化
・収量が増加する地域では資金調達ニーズが発生し、投融資額が増加
・品種や収量の変化を背景に、食料安全保障機運の高まりとも相俟って、新たな技術や設備(スマート農業・林業、陸上養殖等)への投融資額が増加
・産地や品種の変化を背景に、異業種からの参入や食品加工・流通分野等の再編を契機とした設備投資が拡大し、投融資額が増加
スクロールできます

指標及び目標

当社グループはマテリアリティ「カーボンニュートラルの実現に貢献」において、以下の重点取組およびKPIを設定しております。

マテリアリティ
カーボンニュートラルの実現に貢献
重点取組 KPI 実績
脱炭素に向けた再生可能エネルギー普及とトランジション促進 再生可能エネルギー関連投融資額
累計5,000億円(2021~31年度)
2021年度:560億円
2022年度:672億円
累計:1,232億円
自社が排出する温室効果ガスの実質ゼロ ・2030年度の温室効果ガス排出量50%削減
 (2021年度比)
・2050年度温室効果ガス実質ゼロ
2021年度:1,271t-CO2
2022年度:896t-CO2
削減率:29.5%
スクロールできます

※当社及び国内グループ会社のSCOPE1、2を対象とします。

未来へつなぐ

Sustainability of JA Mitsui Leasing