プロジェクトレポート Project Report Vol.2

食農ビジネス

食農ビジネス

豊富なファイナンス商材ときめ細かな対応で
農業の省力化と生産性向上をサポート。
地方創生・地域活性化へのさらなる貢献を目指す。

Outline ▶ ファイナンス面から農業の効率化や収益性向上を後押し

食卓を彩り、国土の保全も担う。農業は私たちの暮らしの基盤を支える重要な産業である。しかしこの分野は家族経営や中小法人経営を行う小規模事業者も多く、1台1,000万円を超すコンバインなどの農業機械や、ハウスなどの生産設備への投資は大きな負担であり、新たに就農しようとする事業者にとっても高いハードルとなる。一方、複数の事業者が集まり組織化しようとする場合には、せっかく整えた農業機械や生産設備をどう引き継ぐかが課題となることも少なくない。JAをバックボーンとするJAMLは、農業と金融について積み重ねてきた知見に基づき、農業機械・生産設備のリースをはじめ、個人から組織へのスムーズな農機継承を実現するサービス、地域と一体となって新規就農をバックアップするプログラムなど多彩なファイナンス商材を取り揃え、きめ細かな対応とともに農業従事者をサポート。農業分野における取扱高はリース業界トップを誇っている。「農業従事者の高齢化や後継者不足、さらには大規模自然災害の頻発など、農業を取り巻く環境には様々な課題があります。その対策として国や自治体、JAなど農業関連団体が進めている農作業の自動化や省力化を、ファイナンスの面から後押しする。また、“所有”とは異なる農機・生産設備の利用スタイルを浸透させることで収益性を高め、農業従事者の利益向上を実現する。そんなJAMLの役割がこれまで以上に重要になっていることを感じています」と農林水産本部 食農ビジネス推進部で主査を務める加藤泰良は語る。

Progress ▶ 利用者目線にこだわり、主力商品リニューアルに着手

食農ビジネス推進部は、JAとのさらなる連携のもと、食と農の分野における事業開発や営業推進をより積極的に行うために発足した部署である。その設置を検討するタスクフォースから参画し、部のスタート時に主査として配属された加藤が主要メンバーとしてリードしたのが「農機シェアリース」の改定だ。これは複数の農家が地域を越えたリレー方式でコンバインをシェアして使用するもので、購入費や整備の負担から解放されるメリットを農業従事者に提供する。2017年に事業化され、現在は食農ビジネス分野におけるJAMLの主力商品の1つともなっている。しかし、サービス開始から数年を経て、スキームを調整する必要があることが見えてきた。「コンバインは1年のうち2~3週間程度しか使用しない農機です。そしてコメや麦の収穫期は地域によって異なります。したがって、異なる地域の農家を組み合わせてコンバインをシェアすれば、コストを抑えながら通常通りに収穫することが可能になります。ところが近年の気候変動で収穫期にズレが生じ、当初の見込みに沿ってコンバインを提供することが難しくなるケースが出てきました。一方、その搬送や回収、整備など、運用面でも改善するべきポイントがあることが明らかになってきました」農機シェアリースは、JAML社員が各地の農家から聞き取った農機に対する要望や悩みが開発に役立てられたマーケットイン発想の商品である。農業従事者にとって真に使いやすいものでなければ意味がない―。加藤を筆頭に食農ビジネス推進部のメンバーは日本各地の支店担当者から寄せられる現場の声を洗い直し、農機の搬送や整備を担当するパートナー企業などと協議を重ねて、シェアのスタイルや料金、運用フローを“いま”にフィットするものへと見直していった。リニューアルした農機シェアリースは2021年のリリースを予定。これからもJAMLは妥協することなく利用者目線にこだわっていく。

Future ▶ まず、農業を元気に。その先に輝く日本の未来が広がる

現在、食農ビジネス推進部が力を入れているのがロボット技術やICT、AIを活用した「スマート農業」の普及である。例えば、と加藤は例を挙げる。「肥料や農薬の散布などに使用されるドローンでは、センシング技術が搭載されて農地の肥料濃度や水分量を計測できる機種なども登場しています。これにより、農業従事者の経験や勘に頼っていたこともデータ化して活用し、高品質な作物を安定的に収穫することが可能になってきました」JAMLはこうした最先端・高機能の農機や生産設備の導入を、ファイナンス機能を通じてサポートしていく。さらに2020年9月には農林水産省による「スマート農業実証プロジェクト」に参画することを表明。キャベツ収穫用スマート農機の産地間リレー方式によるシェアリングや、中山間に適したスマート農機導入モデルの確立に携わり、それらの実用化と農業現場への普及を後押しする。コロナ禍で「食の安全保障」に改めて注目が集まる今、日本の農業の持続性確保と成長がこれまで以上に問われていることを感じる、と加藤は言う。「時代の流れと農業従事者のニーズを着実にキャッチアップし、的確なソリューションを提案する。そして効率化や生産性向上を実現して農業を元気にする、それが私たちの使命。その先に、地域・地方の活性化や国内自給率アップなど、輝く日本の未来が広がると考えています」

Kato’s Comment

農林水産本部に配属される前の約9年間、支店で営業職として農業従事者の方々に接した経験から、農業の現場においてリースやファイナンスの認知度は未だそれほど高くはなく、メリットについても十分にご理解をいただいていない面もあると感じていました。しかしそれは、裏を返せばまだまだ大きな需要が潜在しているということでもあります。農業に対する豊富な知見とノウハウに基づいた多彩なファイナンス商材を取り揃えるとともに、お客様に合わせてそれらを自在にカスタマイズして提案できることが当社の強み。「JAMLのビジネスモデルをどのようにアレンジすればお客様の利益を最大化し、期待に応えられるか」を考え、創造力を発揮して新たな付加価値をつくり出していくことに、この仕事のやりがいを感じています。

加藤 泰良

加藤 泰良

食農ビジネス推進部
2006年入社

※取材は2020年10月時点の内容です