PROJECT
STORY
農業 × 再生可能エネルギー

農業ファーストの
太陽光発電への挑戦

茶畑に太陽光発電という付加価値をプラスし、地域農業の持続的な成長に向けて伴走中。

OUTLINE
お茶農家の離農が進む静岡県で、グローバル市場で需要が拡大している抹茶の原料となる碾茶の栽培と太陽光発電を組み合わせて推進し、新たな収益の創造をめざす取組みが動き出しました。碾茶の栽培では、リラックス効果を生むテアニンや抗酸化作用を持つクロロフィルなどを多く蓄積させるために収穫前に日照を遮る期間を設けるのがポイントです。この茶畑の被覆に用いる「遮光棚」に太陽光パネルを設置。再生可能エネルギーを生み出し、そこで得た収益を地域の生産者様に還元するスキームを構築しました。共同パートナーが持つ北米・欧州を中心とするグローバル市場への販路とも組み合わせながら、20年先を見据えた共同事業に取り組んでいます。

PROFILE

2006年入社
JA三井リース株式会社
農中・三井物産リレーション室
T.K.
国内拠点での勤務を経て、本社でJA系統および農業生産者向けの企画・営業を担当。現在はJA三井リースの株主である農林中央金庫と三井物産と連携した新事業創出などに取り組む
2007年入社
部長代理
JA三井エナジーソリューションズ
株式会社(JMES)に出向中
K.N.
仕組み金融の営業部門からグループ会社でオートリースの法人営業、支店、営業統括室を経て、2023年からJMESに出向。再生可能エネルギー事業のチームリーダーとして本プロジェクトを統括
2017年入社
JA三井エナジーソリューションズ株式会社(JMES)に出向中
K.H.
経理部でキャリアをスタートし、広島支店での法人営業を経て、本社でJA系統の株主向け営業を担当。2024年よりJMESに出向し、再生可能エネルギー事業に取り組む
2025年入社
JA三井エナジーソリューションズ株式会社(JMES)に出向中
N.S.
家業でもある農業への志向と金融への興味からJA三井リースに入社。初期配属でJMESの開発営業部に出向となり、太陽光発電を中心とする再生可能エネルギー事業の営業に挑戦中
※掲載内容は取材当時のものです(2026年2月)

SECTION 01

プロジェクトの背景

お茶の産地で離農が増えている

T.K.
農業生産者の高齢化や後継者不足、収益性の悪化などを要因として、離農される生産者様が増加傾向にあることはご理解いただけることと思います。日本茶生産においても同様で、茶畑面積や生産量は長期的に減少傾向にあり、手入れされない茶畑が「耕作放棄地化」することも深刻な問題となっています。
K.H.
静岡の多くのお茶生産者様は主に煎茶の栽培をされていますが、国内消費量の減少によって収益を確保していくことが難しくなってきている実態があります。これに対して、北米や欧州を中心とするグローバル市場では、健康志向の高まりを背景に抹茶の需要が大きく伸びています。現地のカフェでは、「抹茶ラテ」が日常的なメニューとして定着し、さらにサプリメントなどの機能性食品の原料としても利用が広がっています。こうした市場では、日本産の高品質な抹茶が高い評価を受けており、高単価での販売が可能となっています。
T.K.
こうした背景から、グローバル市場をにらみ、これまでの煎茶栽培から抹茶の原料となる碾茶栽培への転換に活路を見出す生産者様が増えてきています。そこで私たちが着目したのが、碾茶栽培に利用される「遮光棚」を「太陽光パネルの架台」として活用されている静岡の生産者様の取組みでした。この取組みを応援することで、生産者の所得向上、耕作放棄地抑制、地域の活性化につなげていこう!という試みになっています。
K.N.
国内の太陽光発電所の建設においては、開発に適した事業地の減少から、農地を活用した営農型太陽光発電に参入されるケースも増え、全国でも数多くの先行事例が出てきています。一方で、栽培される作物に適さない設備設計や販売販路がなく作物が収穫されないといった事例も少なからず発生しており、適切に営農がされていないことが問題視されています。そこで私たちは、あくまで「農業ファースト」の再生可能エネルギー事業の可能性について模索を開始しました。その活動の中で共同パートナーとの出会いをきっかけに、当社グループにとって初めてとなる営農型太陽光事業として、静岡での茶畑プロジェクトの立ち上げを実現することができました。

SECTION 02

課題解決のポイント

営農と発電を両立できる、ベストな「座組み」を実現

N.S.
私は昨年入社したばかりですが、実家が静岡県のみかん農家ということもあり、「営農収益に加えて、発電収益の一部も還元される、こんな面白い仕組みのプロジェクトが動いているんだ」と驚きました。入社して初めての出張も静岡の営農型発電サイトでした。現場を見て「遮光棚って、想像以上に高い位置にあるんだな」と感じました。
K.N.
被覆期間以外の日照を確保し、棚の下での農作業も問題なくできることが前提ですからね。棚の高さは地上4メートルほど、支柱の間隔も農業機械が使用できるように4~6メートル程度の距離をとっています。こうした適切な営農へのこだわりについては、共同パートナーとともに、地域の住民や自治体の方々にもご理解いただけるよう、丁寧に対話を重ねてきました。
T.K.
生産者様にとって、煎茶から碾茶への品種転換というチャレンジは大きな決断です。そこで、遮光棚の設置にかかるイニシャルコストについては生産者様の負担をなくし、発電した電力は需要家様に買い取っていただくことで、その収益の一部を生産者様に還元する仕組みをつくりました。また、グローバル市場での抹茶の販路についても、関係者が一体となりサポートする体制を整えています。それらを可能とする最適なビジネスパートナーとの「座組み」を実現できたことが「農業ファースト」の太陽光発電事業が始動する決め手になったと考えています。
K.N.
事業化までにはさまざまな課題もありましたが、この事業を通じて農業や地域に貢献したいという強い想いと、「Go for it!」というポジティブな社風もプラスに作用したのではないでしょうか。私たちJA三井リースグループと農林中央金庫、お茶の輸出販路を持つ株式会社流通サービス、茶畑での発電所施工に強みを持つTEA ENERGY株式会社、この4社が結びつき、「茶畑ソーラー合同会社」として始動しています。
K.H.
最適なビジネスパートナーにたどり着くまでには試行錯誤もありましたね。また、座組みが固まってからも、それぞれのニーズを丁寧に伺いながら、協働の進め方や契約内容を一つひとつ整理していく必要がありました。そのプロセス自体も非常にチャレンジングでしたが、チームメンバーや関係各社のご協力のおかげで、今後の営農型太陽光発電事業のモデルとなり得る枠組みをつくり上げることができたと感じています。

SECTION 03

成果とやりがい

生産者の熱い想いに触れて

K.H.
そもそもこの事業は、20年間という長期的なスパンで推進するプロジェクトです。地域の協力体制をしっかりと築き、生産者様が安心して取組みを続けられる環境を整えていくことが欠かせません。私たちも当事者として責任を持ち、継続的に寄り添いながら伴走していきたいと思っています。
K.N.
まさに生産者様と一体となって推進していく事業であり、農業はもちろん地域への貢献が実感できるプロジェクトとして、貴重な経験ができており、大きなやりがいを感じています。
T.K.
プロジェクトを通じて地域の農家さんとの関係性が深くなり、「新しい取組みにチャレンジするんだ」という生産者様の熱い想いに触れる機会が何度もありました。それは私たちの中でプロジェクトを進めていく大きな原動力になっています。地方創生につながるこのような事業に携われることは、心が躍るような経験であり、関係者の皆さんに感謝したい気持ちです。
N.S.
私もこのプロジェクトには大いに触発されました。チームの皆さんの応援もあって、社内の新規事業創出プログラム「RCBX:Real Challenge to Business Transformation」に、営農型の太陽光発電の発展型アイデアを提出しました。碾茶に植え替える際に廃棄物となる古い茶木を「バイオ炭」にして、土壌改良などに活用しようと提案しました。現在も関係者へのヒアリングや実証実験に向けた調整を進めている状況です。

SECTION 04

これからの展望

全国の茶産地や、異なる作物の農地にも展開

K.N.
営農型太陽光の問題事例にばかり注目が集まっていますが、地域に根ざして、しっかりと営農と発電を両立している優良な太陽光発電プロジェクトも多くあります。我々も営農と発電の両立を前提に事業を展開していきます。また、静岡県だけではなく、他の茶産地にも展開できるポテンシャルがあると考えており、他の産地の方々との交流も始めています。お茶以外の作物の圃場でも、たとえば昨今の高温障害を軽減したり、夏期の農作業の負荷を軽減したりするために遮光棚を有効活用するなど、営農型の太陽光発電が役に立つ側面はまだまだあるのではないでしょうか。
T.K.
横展開と併行して、やはりこの静岡の第一号案件を優良モデルとして広く認知していただくためにも、安定して運営していくことが重要と考えています。そのためにも、需要家様に対して、ここで生み出される再生可能エネルギーのストーリー性や価値をしっかりとご評価いただき、需要家様も含めた一体感のある取組みにしていきたいですね。
K.H.
私たちの営農型太陽光発電モデルでは、地域の生産者様、JA系統団体、共同パートナー企業の皆様それぞれにしっかりと価値をお届けできる仕組みになっています。まさに「三方良し」と言える取組みと感じています。さらに、発電した電力を購入いただく需要家様も、大企業から地域の中堅・中小企業まで多様な可能性が広がっています。私たちは、こうした企業と地域の生産者様をつなぐ役割を果たしていけたらと思っています。
N.S.
地域のプレイヤー同士がシナジーを生み出すという意味では、幅広い可能性を感じますね。私も引き続き諸先輩に学びながら、長期的な視野で農業の振興や地域創生に貢献できる仕事にチャレンジしていきたいと思っています。

MESSAGE

当プロジェクトに興味を持った皆様へ
K.H.
日本の農業が抱える地域・社会課題の解決に挑戦できる環境があります。多くの関係者と協力しながら解決策を実際に形にしていくことができ、大きなやりがいを感じられる仕事です。
N.S.
さまざまな業界をリードしている企業や人と協働する機会があります。コミュニケーション力を高めながら学び続ければ、自分自身が大きく成長できる環境があると感じています。
K.N.
JA三井リースグループには、再生可能エネルギー事業以外にも、幅広い事業領域と顧客基盤があります。本人の熱意次第で、地域課題にも寄り添いながら、業界に精通する人材として成長していくことができます。
T.K.
社員一人ひとりの「こんなことがやってみたい」という気持ちを、専門性を活かして後押ししてくれる仲間がたくさんいる会社です。一緒に新しいことにチャレンジしませんか。

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金融とモノの力で社会課題に向き合う。農業から再エネ、グローバルまで、幅広い業界での経験と成長の機会があるフィールドで活躍したい方をお待ちしています。
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