プロジェクトレポート Project Report Vol.1

サステナブルライフ

サステナブルライフ

コンセプトは「Sustainable Life Creation」。
次世代モビリティと再生可能エネルギーを2本柱に、
ファイナンスにとどまらない柔軟なアクションで持続可能な社会の実現に貢献していく。

Outline ▶ 事業領域を拡大し、社会へのさらなる貢献を目指す

2022年1月、「Sustainable Life Creation」をコンセプトにサステナブルライフ事業部が始動。それまでこの部署はモビリティソリューション部として、次世代モビリティを軸にビジネスを展開していた。モビリティとはヒトとモノの移動に関連する分野を指し、交通や物流などの領域が関わっている。近年、ここにもIT化の波が押し寄せており、IoTやAIを活用した新型モビリティツールも続々と登場。ベンチャー企業を中心とする新規プレイヤーの登場や異業種の参入も国内外で活発化しており、JAMLはIT技術を取り込みながら進化する次世代モビリティを新たな事業領域と見定めて2020年1月に専門部署を創設したのだ。この領域は大きなポテンシャルを有する一方、その成長はドライバー人口の減少や地方交通インフラの維持など人流・物流に関する社会課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献するという側面も持っている。同様に、持続可能な社会の実現に大きく関わるのが脱炭素化である。2050年までに温室効果ガスの排出を実質0にする「カーボンニュートラル」を目指すことを政府が宣言する中、クリーンエネルギーの調達に対するマーケットの関心は上昇している。そこでJAMLはモビリティソリューション部を改称し、次世代モビリティと再生可能エネルギーを2本柱とするサステナブルライフ事業部を設置。「ビジネスを推進することで当社が収益を上げるだけでなく、サステナブルな生活基盤の構築を後押ししていくことがこの部署のミッションです」とモビリティソリューション部立ち上げに携わり、新部署で部長代理を務める秋本輝は語る。

Progress ▶ 企業の可能性を見極め伴走型で成長に導く

次世代モビリティにおいて、近年飛躍的に進展したのが物流に関する領域である。「Eコマースの取引量増加により物流需要も拡大しました。当社ではIT系パートナー企業と合弁会社を設立し、通信デバイスを搭載した冷凍冷蔵機能付き車両のファイナンスプログラムを独自に企画して配送業者にリースする事業を開始。急激に需要が増加しているラストワンマイル配送(物流拠点から最終ユーザーへの配送)において、高品質な食の物流を実現しています」新部署で次世代モビリティビジネスをリードする秋本は言う。この分野は草創期にあり、市場規模は明確に定まらずトラックレコードも存在しない。どんなニーズが潜在し、何がアセットとして位置付けられJAMLはどんな役割を果たせるかを、案件ごとに徹底的に考え抜く。そして描いたビジョンに基づき、オーダーメイド的にファイナンススキームをプランニングしていく。取引先を見る際にも同時の視点が必要になる、と秋本。「当部ではベンチャー企業が取引先候補であるケースもあり、事業者の過去実績ばかりを重視していては的確な判断ができません。見るべきはその企業の実力や可能性、そしてJAMLの機能でそれらを増幅させられるか、ということ。一緒に未来を見つめて伴走する姿勢を大切にしています」再生可能エネルギーについては、現在、大手企業との協働による太陽光発電関連事業を推進中だ。「これはPPA(電力契約販売)で、建物の屋根などユーザーの所有地に太陽光発電システムを設置し、発電した電気をユーザーにご購入いただきます」JAMLが介在することで、ユーザーは初期費用やメンテナンス費用を担うことなくクリーンエネルギーを利用することが可能となる。脱炭素化推進を背景に勢いづく市場において、持ち味を活かしたビジネスを通じJAMLはさらなるプレゼンスの向上を実現しようとしている。

Future ▶ 次世代モビリティ×再生可能エネルギーの新事業をJAMLの柱へ

次世代モビリティの知見を有し再生可能エネルギー領域へビジネスフィールドを広げているサステナブルライフ事業部が注目しているのがEVX(EVトランスフォメーション)である。これはEV(電気自動車)をハブにモビリティとエネルギーを掛け合わせることで新たなビジネスを創出していくもので、秋本たちはEV向け充電設備によるビジネスでこの分野に切り込もうとしている。「パートナー企業と協働で事業を立ち上げ、商業施設などに充電設備を設置してユーザーが充電を行った際に支払われる料金から収益を得るスキームです。リースの場合は期間単位で収益を得ることになりますが、このスキームであれば設備の稼働率が上昇すれば直接的に収益アップを見込めます」より高い収益を得るためにはEVの普及を後押しする必要がある。JAMLはグループ内にオートリース会社を展開しているため、連携してEVの提案も積極的に行っている、と秋本。「EVを利用して充電設備もあるのであれば、そこで使われるエネルギーもクリーンなものであればよりサステナビリティが高まります。そこで太陽光発電システムの設置を提案する。エネルギーを中心に、EV、充電設備、発電システムの三角形を描いて、グループ会社やパートナー企業との連携のもと、どの切り口からでもアプローチを展開していく。そうしたアクションを構想しています」次世代モビリティと再生可能エネルギー。活況を迎えている2領域を掛け合わせたビジネスは他にも立ち上がっており、これを丁寧に育てて部署の、やがてはJAMLの柱にしたい、と秋本は展望を語る。「それが、サステナブルな社会を実現する、という当部の使命を果たすことにもつながると思うのです」

Akimoto’s Comment

社会の期待と関心が高い、トレンドのど真ん中にヒットする業務に携わっていることを、日々、実感しています。だからこそ競争も激しいですが、その中でどれだけ独自性を打ち出せるかが勝負だと考えています。とはいえ、当社はもちろん世の中的にも前例のないビジネスも多く、真っ白な地図を手に宝探しをしているような感覚を抱くこともあります。その分、常に新たな発見もある。また、自分が懸命に考えて描いたビジョンで人や組織を動かしている手応えも、この部署ならではの醍醐味だと思っています。従来型のリースビジネスに固執せず、事業者の成長支援とJAMLファイナンス機会の創出を両立させ、次世代モビリティと再生可能エネルギー領域で当社の強みを存分に発揮していきたいです。

秋本 輝

秋本 輝

サステナブルライフ
事業部
2008年入社

※取材は2023年8月時点の内容です